「パピルス 」ってなに?

みなさん、「紙ってなに?」と聞かれたら何と答えますか。
薄くて、筆記ができて、木からできていて...などいろいろ思いつきはしますが、
きちんと説明するのは難しいですね。

ちょっと難しい話にはなりますが、日本での紙の定義は次のようになります。
「植物繊維その他の繊維を膠着(こうちゃく)させて製造したもの」
※日本工業規格(JIS)簡単に言うならば、
植物の繊維をほぐして水の中でばらばらにしたものを薄く漉いて乾燥したものです。


話は変わりますが、「パピルス」というものをご存知でしょうか。
カヤツリグサ科の植物の1種、カミガヤツリ(パピルス草)の地上茎から作られる、
古代エジプトで使用された筆記媒体のことです。

(カミガヤツリ)死者の霊魂が肉体を離れてから死後の楽園アアルに入るまでの過程・道しるべを描いた書、
「死者の書」もこのパピルスに書かれています。
パピルスは、「紙」を意味する英語の「paper」やフランス語の「papier」などの語源にもなっています。
ただ、このパピルスは先ほどの日本の紙の定義(日本工業規格)では紙ではありません。
パピルスは植物の茎を薄くスライスしたものを重ね合わせて作っていたため、
「植物繊維その他の繊維を膠着(こうちゃく)させて製造したもの」という定義からは外れます。
「紙」を意味する英語の「paper」やフランス語の「papier」の語源になったパピルス...
しかしそのパピルスは実は紙ではないというなんともややこしい話でした。

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